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私の創作作法 その2

私の新作「死美女の誘惑」には、女性専門の医者が登場する。
中国は古代から「房中術=夜の生活」の研究が盛んで、
驚くほどの文献が残されている。
もちろん、素敵な艶話もたくさん残っている。
それを作品の中に生かしたいと考えて、
女性にまつわる事件の話を書いた。
(あくまでミステリーだから、なるべく女性にも読めるように柔らかく、さらりと書いたつもり)

その謎を解く探偵役の性格のモデルは友人である。
もちろん、容貌は全く別。
容貌は、某二枚目俳優の若い頃のイメージで書いた。
私は作品を書く時には、それらしい俳優さんのイメージを借りて書く。
ただし、観賞した映画やドラマが十数年前で止まっているので、
今の若い人には分からないかも知れないが。

私は女性の話を書くのが好きである。
どの女性も可愛く見えるから。
そもそも、年頃(年が若いというだけの意味ではない)の女性は魅力的に決まっている。
配偶者を得るために、神が美しさを与えられているのだから。
若い頃から多くの魅力的な女性に接して来たが、
NG女性はたった一人しかいなかった。

その女性…は何かに憑かれていた。
しかも私は、
彼女がそれにとり憑かれる瞬間を目の前で見た。
以前から不思議な性格の娘だと思っていたが、
ある日、冗談のつもりで
「お前はもしかしたら、○○じゃないのか」と言った。
すると彼女はたちまち本性を現して…。

「私は女性から逃げたことはありません」
と死美女の誘惑には書いたが、
その時ばかりは…逃げた。
命がけで逃げた。
二度とその娘には逢わなかったし、しばらくは家からも出なかった。
幸いにして、彼女が向こうから来ることはなかったが。
今、思い出しても…恐ろしい。
それを何故、作品に書かないのかという勿れ。
あれはとてもミステリーにはならない。

 この項続く
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私の創作作法 その1

久々のブログ更新である。
実は、夏の間ずっとバテていた。
暑さには負けないのが自慢だったのに、
今年の夏には本当にまいった。
御前中、古本屋の仕事をしただけでふらふら。
後はずっと寝込んでいたのだ。
ツイッターだけは頑張ってやっていたが、
小説の原稿がほとんど進まない。
「死美女の誘惑」のゲラだけしか出来ないという情けなさ。
古本屋も物書きも他の職業も)、体力が基本である。
10月になってようやく涼しくなり、体も楽になった。
今までの遅れを取り戻そうと思っている。

「死美女の誘惑」を出して、
読者の方から指摘されることがある。
「不可思議な出来事を現実の地平に下す、のうたい文句なのに、
いわゆる(超常現象)のままの物が混じっている」と。
その通りです。

私の書く物語の大半は、
伝説や昔話の不可思議現象を合理的に解明する話ではあるが、
一部「不可思議能力(超能力ではない」を持つ者や超常現象が登場する。

昔、孔子様は「怪力乱神を語らず」と言われたそうだが、
決して、不可思議現象を否定されていたわけではない。
物事を「怪力乱神」のせいにしないということだと思う。
日本でも、明治以降、科学が進歩して、
世間は迷信や怪しげな神を信仰してはならぬという風潮になった。
そのせいか、過去の歴史を宗教や信仰抜きで解釈しようとする人も現れた。
現代を生きて行く人はそれでも良いが、
昔の人の信仰まで否定するのは如何なものかと思う。
昔人は各々の神を信じ、それに従って生きていたに違いない。

本来「神」とは信仰の上に存在するものだ。
だとしたら、信仰しさえすれば神は存在するのではないか。
過去には多くの神が存在し、その力を発揮していたかも知れないのだ。
現代でも、強い信仰のもとに生きている人々がいる。
彼らを「時代おくれ」とは…少なくとも私には言えない。
現代でも、科学では説明できない事象が存在するのだから。
私もいくつか体験がある。

「狐火」
「狐憑き」
「夢魔」
「座敷わらし」
「塗り壁」
「生霊」
「未確認飛行物体」

それらをこの目で見た。
これは科学的に解明出来るのかも知れない。
だが、そうする必要があるとも思わない。
私の作品の中の「超常現象=合理的でない部分」は、
そんな私の体験を元にしている。

この項 続く

新作発売のお知らせ

九月四日、私の新作が発売される。

題名は

「死美女の誘惑 蓮飯店あやかし事件簿」

カバーはシライシユウコさん。
帯のキャッチコピーは、
「私は人でも獣でも化生(けしょう)でも
女から逃げたことはありません」
妖力を持つ美女が起こす怪事件に美男巫医(ふい)が挑む!

作品内容は以下の通り。

「伝説の方士・徐福(じょふく)不在の琅邪(ろうや)の街に女性専の
巫医(巫術で治療する医者)佳人(かじん)が突如現れた。
時を同じくして起こる不可思議な出来事。
男を寝室に誘う幽霊娘、
夢の中で呼ぶ死美女、
男を水中に引きずり込む娘水狐、
死体で海を埋めようとする精衛、
人に化身して嫁入りする蛇女――。
中国の伝説に登場する妖力を持った
美女たちが巻き起こす怪事件に佳人が挑む!
そして彼が現れた理由とは?」

こう書くと、何やらファンタジーのようにも思えるが、
実は、奇想ミステリーである。
私の書く物語は、
神話や伝説に出て来る一見不可思議な出来事を、
現実の地平に下す話がほとんど。
今回も妖しげな美女たちが巻き起こす不可解犯罪を
迷(?)探偵が合理的に解決しようとする作品である。
(少し不合理な能力もあるがー笑)
そして、ちょっぴりエロチック。
(もちろん若い女性にも読める話。否、若い女性にこそ読んで欲しい)

この作品は題名に少しばかり苦労した。
今までの拙作のお固いイメージを払拭しようと、
担当編集者のお知恵を借りて、さんざん悩んだ末につけたもの。
自分では結構気に入っている。

中国物が苦手な人にも、
歴史が得意でない人にも楽しく読んでもらえるように書いたつもり。

手にとって頂けたら幸いである。

ばちあたり その6

室内は入口より暗い。
この家には何度か来たことがあるが、
入口から上がったところが三畳程度の居間(食事室も兼用)で、
その奥に四畳くらいの寝室があった。
居間には誰もいない。
そこで、声をかけながら奥の室との間の障子戸を開けた。
そして、私は異常なものを見た。

最初は大蛇が三匹、天井から下りて来たのだと思った。
白いのが二匹、
そして派手な色をした錦蛇が一匹。
私は蛇が苦手である。
ギャッと叫んで逃げ出そうとしたが、様子がおかしい。
おそるおそる振り返ると、
それはY子と両親の変わり果てた姿だった。

その時、生れて初めて腰を抜かした。
ぺたりと座り込んだまま、怖い物見たさで三人の姿を見た。
三人は何故かぬるぬるとしている。
錦蛇と見えたのは、Y子が美しい着物を着ていたからだ。
彼女の体はこれ以上ないと言うくらいに伸びて、
その着物の裾から、体液らしいものが滴っていた。
その他のことは思い出したくない。

私は親子心中の発見者になったのだ。
そこからどうやって逃げ出したのか、
気がついたら、例の顔役の家にいた。
人の死は彼らに知らせねばならないと思っていたのだろう。
顔役と姉さん(顔役との関係は知らないが、そう呼ばれていた女性)は
すぐにY子の家に来ると、三人の体を下ろした。
その時に、顔役が、
「この、ばちあたりめが…」
と呟いたのをはっきりと覚えている。

その後、いろいろとあって、
結局、顔役の手で葬儀が行われた。
Y子の両親の自殺の原因は知らない。
葬式の時に大人がいろんな話をしていたが、興味はなかった。
人が死んでから、原因を考えても大して意味はない。

それよりも、
姉さんがY子の来ていた着物を洗濯して着換えさせていた光景をはっきり覚えている。
「最後に綺麗な着物を着せてやったのだろうけど…」
と姉さんは顔役と同じことを言った。
「子供を連れて行くなんて…ばちあたりだよ」

私はミステリーを書いている。
物語の性質上、人の死も書く。
時には、残酷な殺し方やグロテスクな死体も登場する。
けれど、
それらを詳細に書いたことはない。
爺様婆様が昔話を語るように、あっさりと書く。

死体というとY子の姿を思い出してしまうのだ。
人の死は綺麗なものではない。
格好の良いものでもない。
情けない話だが、彼女の姿を思い出すのが嫌で、
死や死体を霞の中に、包み込んでしまう。
ミステリーは私に合わないのかも知れない。

これで飯を食っているのに、
弱気なことを言う私もばちあたりである。

 この項続く

ばちあたり その5

子供の頃の「死」については、もう一つ記憶がある。
姉の死よりも、こちらの方が鮮烈な体験だった。

私はガキの頃から学校嫌いで、殆ど登校しなかったが、仲間(?)が何人かいた。
登校しない理由はそれぞれ違う。
私のように単純に勉強と先生が嫌いな者もいれば、
生活が苦しく、小さな兄弟の世話をしなければならない奴もいる。
そんな仲間の一人にY子がいた。
彼女は一人娘だし、
両親はちゃんと働いていた(どんな仕事か知らないが)ようだし、
(結構、可愛い顔をしていたし、賢かったので)、
学校に来ない理由は、子供には分らなかった。

ある時、久しぶりに登校すると、教師に職員室に呼ばれた。
叱られるかと思ったらそうではなく、
Y子の家に手紙を持って行って欲しいという。
彼女の家は私とは全く違う方向で、
しかも随分遠い。
ざっと一里半はあったと思う。
自分で行けば良いでしょ、という意味のことを言った。
こんなことを言うから教師に嫌われるのだ。
「お前が彼女と一番仲が良いからな。頼むよ」
と教師はなだめるように言った。
そういえば、Y子は私以外にはあまり友達がいなかったようだ。

やっぱり学校なんかに来るんじゃない、とぼやきながら、
仕方なく、私は彼女の家に向かった。
彼女の家は、町(村かな)外れのさびれた場所。
小さく粗末な家で屋根は板葺きだった。
家の脇に汚い小川が流れていた覚えがある。
入口の前で、彼女の名前を呼んだが返事がない。
留守かと思って扉を開けた。
当時、私の住む町で、扉に鍵をかけている家などなかったから、
それはすぐに開いた。
室内は薄暗い。
入口横にある炊事場にも誰もいない。
私はもう一度名前を呼び、返事がないのを確認して、居室に上がり込んだ。

この項続く
プロフィール

丸山天寿

Author:丸山天寿
邪馬台国が好きな偏屈親父

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